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企業経営におけるテレワークのメリットと課題とは?5つの活用事例をご紹介

公開日:2022.03.01 更新日:2023.10.03

テレワークの導入は、社員にとって恩恵の大きな取り組みである一方、企業活動にはどのような影響を与えるのでしょうか。実のところ、テレワークは社員と企業経営の両方にメリットをもたらす施策であるとして、多くの企業が導入を進めています。

今回は、企業経営にテレワークはどのようなメリットをもたらすのか、そして実践の際に懸念される課題について、5つの活用事例を参考にしながら見ていきましょう。

企業のテレワーク状況は?規模別の導入率や継続意向

まずは、国内におけるテレワークの導入状況について見ていきましょう。導入に至った企業は多く、継続的な活用を検討している企業も増えています。

一時期より下降傾向にあるが一定水準で定着

総務省が発表した調査結果によると、2020年の民間企業におけるテレワークは、新型コロナ感染症の拡大に伴い、急速に導入が進んでいるということです。最も感染拡大が懸念された2020年の5月から6月にかけては、最大で56%以上の企業がテレワークを実施していたことがわかりました。

参考:総務省「令和3年版 情報通信白書|テレワークの実施状況 (soumu.go.jp)」

当時、テレワークの実施は急な感染拡大に伴う非常措置として行った企業も多く、十分な環境が与えられないまま実施されたケースが多いと考えられます。その反動もあってか、テレワークの実施率は感染拡大のピークが過ぎたあたりから下降気味となり、実施率そのものは下がっています。

ただ、一度テレワークを導入して大きな恩恵が得られた企業では、引き続き、テレワークを継続するという動きも見られます。テレワーク実施企業における従業員のテレワーク実施割合は、2020年4月以降25%前後をキープしており、コロナ感染収束後も継続運用がなされると考えられます。

大企業と中小企業では実施経験に差も

今回の調査においては全体の平均こそ最大の導入率は56%強となっているものの、大企業と中小企業で集計を行うと、その結果に大きな違いが見られます。

まず、大企業では2020年の5月から6月にかけて、テレワーク実施率は83%に達しており、大半の企業が何らかの形でテレワークを実施している結果になっています。一方中小企業においてはピーク時でも51%にとどまるなど、最もテレワークを要するタイミングであっても導入率に伸び悩みが見られました。

中小企業でテレワークへの移行が進まないのは、テレワークに必要な設備投資ができない、デジタルトランスフォーメーション(DX)人材が不足しているなどの理由も考えられ、大企業と比べて圧倒的にリソースが不足していることが要因と言えます。

必要最低限の人員しか抱えられない組織においては、大企業とのギャップを埋めるための対策を考えなければなりません。

DX導入の成果は、人件費や経費負担をできる限り抑えたい中小企業で特に大きなものになりやすい傾向にあります。テレワークの実践は多くのメリットをもたらしてくれるため、何とかして実現に漕ぎ着けたいところです。

テレワークを継続したいと考えている人は6割以上

また、テレワークの導入は従業員の立場からも非常に好評で、過半数の人々が継続的なテレワークの実施を求めています。

同調査によると、今後もテレワークを継続したいと考える人は全体で60%以上を占めており、大企業、中小企業を問わず6割〜7割の人が希望しています。大企業よりも中小企業の方が、同時に継続したくないという声も上がる結果となっていますが、十分なテレワーク環境を整備することで、快適な業務遂行を実現することは十分に可能です。

参考:総務省「コロナ禍における企業活動の変化」p.200

また、継続したいと回答している人の多くは若年層にあたり、デジタルネイティブな世代にとっては馴染みのある業務環境を実現できたことが理由として考えられます。

人口減少に伴い、若い働き手を探すことが難しくなっている昨今の状況を踏まえると、テレワーク導入によって優秀な若い人材発掘に繋げられるという点も、テレワーク継続のメリットと言えるでしょう。

テレワーク導入による企業側のメリット 

テレワークは現場社員にとって、魅力的な働き方として支持を集めつつある施策です。それでは、テレワークを実際に導入する企業にとって、どのようなメリットを与えてくれるのでしょうか。企業側のメリットについて、ここで確認しておきましょう。

生産性の向上 

1つ目のメリットは、生産性の向上です。テレワークは出勤の必要がなくなり、業務に伴う無駄な作業が最小限に抑えられるので、従業員にとっては働きやすい環境の整備に貢献しています。

その結果、各社員が業務に充てられる時間が全体として増加し、丁寧な環境整備に努めれば、オフィスワークと変わらないパフォーマンスが期待できます。その結果、会社としての生産性向上へ大いに役立ってくれます。

また、テレワークは自宅からの業務遂行が可能となり、それぞれの社員が自身に最適化された働きやすい環境の中で業務に取り組めるので、これまでよりもパフォーマンスを高めることもできます。

生産性向上に向けたテコ入れとして、テレワーク導入は高い効果を発揮できるといえるでしょう。

交通費やオフィス賃料などのコスト削減 

テレワークはオフィスに出社したり、外回り営業などの移動コストが削減されるので、会社としてもこれらの経費削減を実現できます。出張や訪問営業をインサイドセールスに切り替え、新しい顧客開拓を交通費ゼロで実現することが可能です。

また、オフィス出社の人員がテレワーク導入によって大幅に減少したことで、オフィスのキャパシティも削減できます。高騰するオフィス賃料を今よりも安く抑えられる、小規模な賃貸へと移転ができるため、固定費を大幅に削減し、スマートな会社経営を実現します。

多様な人材の確保 

テレワークがオフィスワークと同様のパフォーマンスを発揮できる働き方となれば、地域性にとらわれず、全国的に人材を確保することができるのもメリットです。

東京に多くの企業が集中しているのは、多様な人材を確保するためというのも背景にありますが、近年はテレワークの普及により、東京に会社があっても地方の人材を雇用することができ、その逆も容易になっています。

地方の中小企業も東京の人材を確保できるので、先進的なスキルを持った人物を確保したいという需要を、地方から満たせるのが強みです。

テレワークを実践している企業の事例5選

ここで、テレワークを導入している実際の企業の事例について見ていきましょう。概ね大企業の方がテレワークの導入には積極的ですが、中小企業においても近年は普及が進んでいます。

カルビー株式会社 

お菓子メーカーでお馴染みのカルビーでは、2007年よりオフィスのフリーアドレス化を進めてきたことが、スムーズなテレワークへの移行を促す布石となっていました。ワークライフバランスと結果主義をコンセプトとする同社において、テレワークの導入は必然でもありました。

2011年から営業職の直行・直帰が定着したことで、段階的なテレワークの導入が進んでいます。2015年には本社管理職に対しても積極的な在宅勤務が呼びかけられ、週3日以上の在宅勤務も認められるなど、働き方改革に対して前向きです。

ペーパーレス化やICTツールの普及も社内で広く浸透しているため、全社的なテレワークも容易に移行できる環境が整っています。企業の規模が大きくなるほど、テレワーク移行には時間がかかるため、できるところから段階的に進めていくことの重要性が、カルビーの事例から伺えます。

参考:厚生労働省「カルビー株式会社」

サッポロビール株式会社 

アルコール飲料の企画・販売を手がけるサッポロビールは、2017年より働き方改革の一環として、部分的なテレワークの導入をスタートしています。これまでは育児や介護など、やむを得ない理由にのみ限定されていた同社のテレワークですが、以降は従業員が勤務する場所・勤務する時間を拡大し、自身の業務やライフスタイルに合った働き方の実現を目指しています。

2017年秋に導入されたテレワーク制度は、2018年末には全国で月300〜400件の利用実績を達成するなど、予想を上回るスピードで導入が進んだことが明らかになりました。社内における大きなテレワークのニーズが浮き彫りになっただけでなく、2018年度の年間労働時間は、2017年度より1人当たり年間20時間程度削減されるなど、業務効率化につながっています。

参考:厚生労働省「サッポロビール株式会社」

株式会社ペンシル 

文具メーカーのペンシルは、2016年よりサテライトオフィスを設置し、本社以外の施設で働ける仕組みづくりを進めてきました。これまで育児などの都合にのみ適用されてきたテレワークですが、この度ペンシルが実現したのは、サテライトオフィスの離島への設置です。

離島における雇用活性化や、これまで通勤時間や家庭の都合で働けなかった主婦が気軽に働けるよう就労環境を整備することが目的で、多様な人材の起用に向けた取り組みが進んでいます。

福岡県周辺を中心に展開されているサテライトオフィスですが、将来的には東京などを含め、全国的にオフィスを設置し、従業員が働きたい・住みたい場所で自由に活躍できる体制を目指しています。

参考:厚生労働省「株式会社ペンシル」

就労継続支援多機能型事業所 しまんと創庫

高知県で障がい者就労継続支援に取り組んでいるしまんと創庫では、2018年10月から在宅テレワークによる障がい者の利用受け入れをスタートさせています。障がいや病気が原因で、働きたくても働けない人たちをサポートするべく、テレワークを通じて労働を通じた社会参画や、生きがいの発見を促しています。

在宅テレワーク利用者の受け入れ範囲を、高知県全域に広げるのはもちろん、全国のテレワーク就業支援を必要としている人に向けて、今後はサポートを拡大していく予定です。

参考:厚生労働省「しまんと創庫」

都築電気株式会社

情報通信業を手がける都築電気では、健康経営の実践に向けたテレワークの推進に努めています。全社的な推進に力を入れた結果、2017年4月時点で60名だったテレワーカーは、2018年度には438名に達し、スピーディな普及を実現しています。

自宅でのテレワークや外出先でのモバイルワーク、あるいはサテライトオフィスの利用など、多様なアプローチで新しい働き方の実践に取り組んだことが、迅速なテレワーク推進につながったと考えられます。

参考:厚生労働省「都築電気株式会社」

企業のテレワークにおける課題や障壁

まだまだ、その数こそ十分ではないものの、導入企業では確かな成果が現れているところも増えています。テレワークの実践に伴い、成功にはどのような課題や障壁を乗り越えなければいけないのか、確認しましょう。

社内コミュニケーション不足による生産性低下

まず懸念すべきは、非対面での業務遂行時間が伸びたことによって、社内のコミュニケーションが落ち込んでしまう問題です。

頻繁な情報共有やフィードバックは、プロジェクトを円滑に進行させたり、社員教育などにおいて重要な役割を果たしていますが、備えなしにテレワークをスタートさせてしまうと、著しく機能が低下してしまう恐れがあります。

資料が電子化されておらずテレワークができない

2つ目の懸念事項は、資料の電子化不足です。テレワーク環境では多くの業務をオンラインで実施するため、デジタル化されていない資料は共有ができません。あらかじめ全ての資料を電子化し、クラウドストレージなどに移行しておかなければ、やはり業務効率低下は免れないでしょう。

人事評価制度の見直しが必要

テレワークへ移行すると、対面で各社員と顔を合わせたり、その働きぶりを評価したりすることができなくなるため、新しい人事評価制度を導入する必要が出てきます。

労働時間や出勤態度などに依存しない、成果主義の評価指標を構築し、彼らの働きぶりをフラットに評価しましょう。

環境整備にあたり費用がかかる

テレワークの導入が中小企業で進まない理由の多くは、初期投資が必要になるためです。ツール導入やサテライトオフィスの設置、社員に貸与するPCなど、これまでは必要なかったコストを捻出しなければならないため、その補填が必要です。

企業のテレワークを成功させるためにはICTツールの活用が肝

上記のような課題を乗り越えてテレワークを導入するためには、ICTツールの活用が不可欠です。近年はクラウド経由で利用できるツールが多く登場しており、インターネット環境を整備するだけで利用を開始できます。

クラウドサービスの多くは初期費用が安価で、費用負担を最小限に抑えて導入できるのも魅力です。コスト面での懸念が大きい場合、自社の予算にあったクラウドツールを探して見ましょう。

企業のテレワークに役立つICTツール3選

ICTツールとは一言で言っても、いくつかの種類がテレワークに活躍しています。テレワークに最適なICTツールは、主に以下の3つです。

ビジネスチャット

テレワーク導入に欠かせないのが、ビジネスチャットの存在です。電話やメールでは得られないスピードで、リアルタイムのコミュニケーションを実現できるため、業務効率化には欠かせません。

資料の共有やビデオ会議なども一つのツールで実現できるため、複数のツールを使い分ける手間も省けるのが頼もしいところです。

勤怠管理システム

テレワークを導入する場合、刷新する必要があるのが勤怠管理システムです。オンラインで打刻ができ、勤務状況をクラウドで一元管理可能なサービスを導入すれば、リアルタイムで各社員のステータスを一目で把握できます。

タスク管理ツール

対面でコミュニケーションができなくとも、タスク管理ツールがあれば効率よく仕事を割り振り、無駄のない働き方を実現できます。ToDoリストや独自のタスクリマインダーを搭載したツールを導入することで、誰がどのタスクを、いつまでに対応するのか、現在の対応ステータスはどうかなどを確認できます。

企業ごとに適するテレワークは異なる。課題解決にはICTの活用を

今回は、テレワークを実践している企業の導入事例を確認しながら、テレワーク導入のメリットや課題についてご紹介しました。

テレワークの成功にはICTツールの導入が不可欠ですが、筆者所属のワウテック株式会社が提供する法人向けチャットサービス「WowTalk(ワウトーク)」は、そんなテレワーク導入を成功に導く上で強力なサポートとなるツールです。

直感的な操作性を実現しているWowTalkでは、ICT活用に不慣れな人でもすぐに利用ができる性能を有しており、社員教育のコストも最小限に抑えられます。

チャットや音声通話、共有・掲示板など、コミュニケーションに必要な機能がオールインワンとなっており、これ一つで多くの業務に対応可能です。テレワーク導入を検討の際には、お気軽にご相談ください。

※ワウテック株式会社は2023年9月1日にグループ会社であるキングソフト株式会社と合併いたしました。

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